気がかりなのは
部屋にあの黒光りした柔らかい背をしたやつの
後ろ脚だけ1本、絨毯の繊維の小さな輪っかに
その鉤足がかかっていたりすること。
本体はどこなんだと想ったり、
妻が掃除を毎日鬼の形相でしてるいるのに
なぜこんな見た目綺麗な部屋に?
とむだに?マークを付けて、
その?は冷蔵庫の扉にはりつける
ガス屋やら似非水道屋やらのマグネッのように
部屋の空気になってゆく。
どこから来てどこへ消えたのか?
哲学的な命題よりもリアルにミステリアスで、
どこかでだれかが張り付けてきたのか、
それとも風にのってひらり~と紛れ込んできたのか
リアルな検証をしてみたりして
そのお土産のように置いて行かれた
ご自身の左脚か右脚か、
「よく見ると右後ろ脚か」的な冷静さに
頭が冷めるまでには時計が視界から消えるほどの
時間を要する。
たしか、ジョン・フォークスと言う人が
「ビートルレッグ』という小説を書いたと想ったのだけど
それは友達がかたるビートルレッグという響きのみでしか
僕の記憶にはなく、
そのカブトムシの脚が
土地の震度計のグラフの
隠喩だとかそうでないのかは
本の中味に真実はあり
まだ読んでいないからなんと
もいえないのだが、
そんなぼくのこころの針の振れ具合は
まさにその黒い脚、くろというよりは
シャイニーダークブラウンといった
むだに響きの良い英語が大和魂を
すりガラスの向こうに隠してくれる。
さて、昨晩地震ありました?って
話はじめにしてみようときめて
話し始めは今朝みた、空き地にできる
スーパーのことだったり、
人生には置き忘れた話のネタは尽きづ
宇宙の片隅で出口をみつけられず熱死して
その後の微粒子の振動まで追わない。
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